FX取引の損益計算に必要な3つの言葉
FX基礎知識編その2
FXで利益と損失を計算するのに必要な3種類の言葉の概要
- キャピタルゲイン・・為替レートの幅、買ったときと売った時の差が利益(損失)となる
- スワップポイント・・2国間の金利差による、一日当たりの利息のようなもの
- スプレッド・・売買には手数料は無いが、買い値と売り値の差のため実質的な手数料となる
FXでは2つの利益を得る方法
FX取引において利益と損失に係る計算をするには2種類があります。
購入時と売却時の価格の差が利益となるもの、いわゆる為替差益(損)において利益損失を計算するものを、キャピタルゲイン(ロス)と言います。
これは円が上がったり下がったりする為替レートの変動によってその差が利益損失を計上するというものです。
それ以外にはペアと呼ばれる例えばドルと円のペアで取引する際に、その2国間での金利の差を日割りで受け取れるもの、これをスワップポイントと言います。
スワップポイントは1日保有することで貰えるので銀行の定期預金のようなものと思っていただければ良いと思います。
キャピタルゲイン⇔ロス
1ドル=100円の時に1万ドル購入し、101円の時に1万ドルを売ることで価値が101万円となり1万円の利益を受け取ることが出来ます。
キャピタルゲインはいつでも決済して受け取ることが出来るために、短期的な利益を取ることが出来ます。
反対に99円の時に1万ドルを売ることで1万円の損失が出ることをキャピタルロスと言います。
スワップポイントによる利益は長期トレード向き
スワップポイントは2国間の金利差を利用もので一日単位で受け取ることが出来るというものです。
このスワップポイントを受け取るということにおいては円とのペアが威力を発揮するようになっており、というのも現在の日本は金利が低いのはお分かりかと思いますが、これは他の国に比べても最低水準なんですね。
つまり日本円と他の国の組み合わせのペア(クロス円と言います)を「買い」で参加することで、金利差分を一日単位で受け取ることが出来ます。これは定期預金のように一定の期間取引する必要はなく、FX会社によって異なりますが基本毎日付与されます。
スワップポイント狙いの人気ペアは豪ドル円
オーストラリアは比較的金利が高く、スワップポイント狙いの特に個人投資家に人気のペアとなっています。
ただスワップポイントは毎日少しづつ変動するものでして、さらにFX会社によっても多少の違いがあります。
今回は例として豪ドル円のペアでスワップポイントが1万豪ドル当たり70円、1万豪ドル保有したということで計算してみたいと思います。
上の条件で取引を行えば、1か月あたりのスワップポイントは2100円となり、1年間当たりでのスワップポイントは25550円となります。つまり保有日数が多ければ多いほど利益も多くなるということですね。
そして2万豪ドルを取引すればその額も倍になりますので、長期的に利用するのであれば豪ドル円などの金利差を利用したスワップポイント狙いの取引もありということです。
もし外貨預金をするのであれば、それよりもFX取引でレバレッジを1倍に設定しスワップポイントを狙ったほうが大きな利益を取ることが出来るでしょう。
スワップポイントの注意点
スワップポイント狙いで気を付けたいことは、例えば豪ドル円のペアでも「売り」(円買い)で参加すれば日々マイナスが加算されていくということです。
またスワップポイントはFX会社によっては買いと売りではマイナスの幅が大きいこともありますので注意する必要があります。
また長期間で利用するのであれば自分が決済したいときにキャピタルロスがある場合があり、その場合にはマイナスとなる可能性があります。
ちなみにスワップポイント狙いの通貨としては、豪ドルをはじめ、ニュージーランドや南アフリカなどが人気ですね
ただ、これらの通貨の場合にはスプレッドが大きいことがあり、また南アフリカのような新興国通貨は値動きが激しく初心者が取引するには少し難しいかもしれません。
スプレッドって何 | 取引時の手数料
スプレッドは「広がり」という意味を持ち、FXでは「買い価格」と「売り価格」の差を表します。
このスプレッドが実質的なFXの手数料となり、これは取引ペアごとやFX会社ごとに値が替わってきます。
現在はドル円の1万通貨当たりのスプレッドは0.01円(1銭)程度が基本となり、これだけでは少なく感じますが、レバレッジを大きくすればするほどその額は上がっていきます。
スプレッドの見方
一般的に買う時の値のことを、ASK(アスク)と言い売るときの値をBID(ビッド)と言います、その2つの間の数値がスプレッドというわけですね。
このスプレッドがFX会社の利益となるものですが、外貨預金に比べて格段に安いのは間違いありません。
ただし、デイトレードのように短期的に何度も取引する人やレバレッジを大きくしたり、取引金額が大きくなるほどそのスプレッドを多く払うことになりますし、注文してすぐの場合にはスプレッド分がマイナスになりますのでスプレッドは出来るだけ低いほうが良いのは言うまでもありませんね。
スプレッドの単位
スプレッドは円とのペアの場合には0.01円と言ったり1銭という風に言われますが、外貨同士のペアの場合にはpips(ピップス)と言います。
まとめ | FXの利益損失計算には3種の要素
- 為替レートの上下から利益を出すキャピタルゲイン
- ペアの金利差から日割りでの利益を得るスワップポイント
- 取引の実質的な手数料となるスプレッド
この3つから計算することになりますので自分に合ったFX会社を利用する必要があります。
スプレッドは低いけどスワップポイントも低い会社もありますし、スプレッドが若干高いがスワップポイントも高いというような特徴があるところもあります。
まずは自分がどういったトレードを実行していくかによっても変わってきますし、利息やトレードによる価格差が利益に影響すると考えて慎重に選ぶようにしましょう。